Tech通信とは
『Tech通信』の創刊にあたって
“IT職人”に活躍の場を
「シリコンバレーのように、日本にベンチャー企業が輩出される土壌をつくろう」。そんな想いから、われわれは1999年に『ベンチャー通信』を創刊した。あれから15年。シリコンバレーとの差はまだまだ大きいのが現実だ。Google、Twitter、Facebook…。かの地ではIT分野のメガ・ベンチャーが続々と立ち上がるが、日本からはなかなかでてこない。
その要因のひとつはITエンジニアの地位にある。Facebook 創業者のマーク・ザッカーバーグのように斬新なサービスを生み出し、起業するエンジニアが多いのがシリコンバレー流。優秀なエンジニアはプロフィットセンターと認識されている。一方、日本では。企業のシステム構築に携わるエンジニアが圧倒的に多い。だから「エンジニアはコストセンター」とみられがちだ。
日本史をひもとけば、このような状況は例外に属する。この国は長きにわたり職人を大事にしてきたからだ。たとえば幕末期に生まれた速水堅曹。士族出身だが、西洋の製糸技術を学んでエンジニアとなった。彼が中心となって設立・運営した富岡製糸場は日本が外貨を獲得し、非西洋諸国のなかでいち早く近代化に成功するのに大きく貢献した。
いま、“IT職人”に活躍の場を与え、エンジニアが利益を生み出す産業構造をつくりだすことが求められている。その構造変革に資するべく、われわれは『Tech通信』を創刊。職人を大事にする伝統を復活させ、日本経済活性化に役立ちたいと願っている。
『Tech通信』編集部
Tech通信は活躍しているエンジニアの職場を取材紹介する、エンジニアのキャリアアップ情報誌です。
定価:1,066円(税込)