起業家支援の仕組みを活用し「ものすごい成長」に挑む
ビッグデータ分析の夜明けを感じ、低コストのサービスを開発
FlyData Inc. Founder 藤川 幸一
FlyDataは代表の藤川氏が有名なアクセラレータ「500 Startups」のプログラム修了後に設立したスタートアップ。クラウドデータ処理技術をコアにビッグデータ時代をリードしようと意気込む。同氏にシリコンバレー流の起業マインドについて聞いた。
※下記はTech通信Vol.03(2015年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
メンバーが立ち去り、たったひとりで再起した
―事業内容を教えてください。
「Amazon Redshift」へデータをアップロードする「FlyData」と、AmazonRedshiftの導入支援サービスを提供しています。4年前に起業した当時はクラウドビッグデータに対応できていたのは既存の高額なDWHだけ。そのなかで「HadoopがDWHを破壊するテクノロジーだろう」と、それを軸に起業したのです。ただバズワードだったから競合も多かったですね。
しかも現地の日本人コンサルタントがメンバーに入っていたのですが、その経営アドバイスをめぐって共同創業者と意見が対立。プロダクトはマーケットにフィットしないまま、コンサルタントと共同創業者は相次いで会社を去りました。
―ひとり残されて、そこからどうやって再起したのですか。
モノをつくれるエンジニアだったからでしょう。ユーザーインタビューをしていく過程で、フォーカスがズレていたのを発見。方向性をピボットしてひとりで「FlyData」のプロトタイプをつくったのです。
また、個人投資家たち、とくに「500 Startups」創業者のDave McClure 氏も力になって助けてくれました。2012年に合計160万ドルの出資を得て経営基盤を立て直すことができました。ひとりだったけど、ひとりじゃなかったんです。
―藤川さんが起業したのも「500 Startups」がきっかけだったそうですね。
ええ。「500 Startups」のプログラムに参加して、「グローバルなサービスを目指すならシリコンバレーのスタートアップが最善の仕組みだ」と思ったのです。スタートアップの本質は「ものすごい成長」。通常のビジネスでは困難で、既存の大きな市場を新しいやり方で壊し、その市場を奪い取ることで実現するんです。
私も2012年11月のAmazon Redshiftの「実質年額1,000ドル」という発表を聞き、ビッグデータ分析の夜明けを予感。身体に激震が走った感じでしたね。「高額のDWHを使える大企業しか、それができない」という問題の解決にフォーカスしたのです。
―それが奏功し、いま、成長フェーズを迎えました。
はい。でも、今後「ものすごい成長」を遂げるためには、最後の成長フェーズで大きく資金調達することが必要。まだ見ぬ競合を突き放して、一気呵成に走り抜けるしかありません。
藤川 幸一(ふじかわ こういち)プロフィール
エンジニアとしてキャリアをスタートし、ヤフー株式会社やアジャイルコンサル会社、金融系SIerを経て、株式会社シリウステクノロジーズに入社。考案したフレームワークが「2009年度IPA未踏プロジェクト」に採択されたことが評価され、スタートアップアクセラレータ「500 Startups」から招待される。2011年にシリコンバレーで起業。2014年1月にFlyData Inc.に社名変更した。
企業情報
設立 | 2011年3月 |
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従業員数 | 7名 |
事業内容 | Amazon Redshiftへのデータアップロードサービス、Amazon Redshiftの導入支援サービスの提供 |
URL | http://www.flydata.com/ja/ |
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