東京・秋葉原のITベンチャー、OZsoft。その本社オフィス裏手の長い階段を上ったところにある神社・神田明神は『IT情報安全守護』という、お守りを授けてくれる。IT企業やエンジニアが多い街ならではの光景だ。数あるIT企業の中でも、OZsoftはインフラに精通した少数精鋭のエキスパート集団として、顧客の支持を集めている。今回は、OZsoftの若手エンジニアであるSawaguchi氏、Wada氏、Akagi氏、Terashima氏の4名による座談会を企画。最先端のインフラを扱う現場で、OZsoftのエンジニアが活躍できる理由を語り合ってもらった。
人工衛星の追尾システムのインフラを担当
―まずは、自己紹介を兼ねて、それぞれが現在、携わっている業務内容を教えてください。
Sawaguchi:私は宇宙開発に関連するプロジェクトに携わっています。その中で、人工衛星の追尾・観測などに使われる基幹システムのインフラ整備を担当。現在は、新しいシステムを導入するため、約20台のサーバを入れ替える作業に取り組んでいます。同時に、LinuxやWindows系のOSを使い、正しく動作するかの検証も担っていて。半年ほどの期間で、2024年にはすべての移設を完了する予定です。
Wada:私もSawaguchiさんと同じく宇宙開発関連のプロジェクトに携わっているのですが、Sawaguchiさんと現場は異なります。私の場合、プロジェクト固有のシステムの構築・換装を担当。たとえば、「新たなアプリケーションを導入したい」というとき、試験的にシステム上に動作環境を構築し、アプリ開発者と協力して試験運用を行い、不具合がないか確認しています。この仕事に約1年、携わっているのですが、お客さまの担当者から専門的なことについて相談されることが増えてきていて。徐々に担当者との信頼関係を築けているのではないかと思っています。いまは、そこにやりがいを感じていますね。
Akagi:私の場合、金融機関が使うシステムのインフラプロジェクトに携わっています。具体的には、証券会社に口座を開いて取引をしているエンドユーザーの方々が利用する、大規模ネットワークの監視を担当。ネット接続に不具合がないか24時間体制で監視する、総勢約20名のチームの中で、朝から夕方までを担当しているので、夜勤はありません。朝はだいたい7時スタートと早めですが、16時には退勤できる。そのお陰で、ワークライフバランスは充実していますね。
Terashima:私はこの中で一番、社歴が浅く、2023年にOZsoftへ入社。いまはインフラシステムに関する社内研修を修了し、最初に携わる現場が決まるまで待機している身です。研修では、米シスコシステムズのプロダクトやシステムについて学び、CCNAを取得しました。ネットワークに関する知識については、だいぶ自信を深めたので、現場に出るのが待ち遠しいです。業種にこだわりはありませんが、できれば先輩たちと同じように大規模なプロジェクトに携わりたい。学んだことが活かせる現場で、エンジニアとしての経験を積み、スキルアップしたいですね。
回り道のキャリアも受け入れてくれる会社
―OZsoftのエンジニアにには、大規模な案件に携われるチャンスがあるのですね。では次に、それぞれの入社の経緯を聞かせてください。
Sawaguchi:私は中途入社で、前職は飲食店チェーン。おもに接客に携わっていたので、IT知識はほぼゼロの状態でした。でも、以前から「エンジニアってカッコいい!」と憧れていて。コロナの影響で勤務先の経営が厳しくなってしまったことがきっかけで、IT企業へ転職することにしたのです。
その中でOZsoftを選んだ決め手は、未経験での中途入社者への研修体制がしっかりしていて、資格取得を支援してもらえること。まったくの未経験からエンジニアとしてスタートするので、不安を感じていた私にとっては、まさにうってつけでした。実際、入社後の研修でCCNAやLPICを取得。それから現場へ出たので、そのときにはもう、不安はまったくなかったですね。
Akagi:私も中途入社ですが、たった3ヵ月とはいえ前職もIT企業でエンジニアとして働いていたので、「未経験」とは言えないかもしれません。そもそも、IT業界を選んだのは、年功序列がなく、専門知識を身につければ実力で勝負できると考えていたから。それに、大学時代はメディア系の学部に所属していたので、多少はITの知識があったことも理由ですね。
でも、前職はかなりハードな職場で、入社後すぐに体調を崩してしまい、退職することに。それでも仕事自体は「おもしろい」と思っていたので、再就職先は「やはりIT企業へ」と考えたのです。その中でOZsoftを選んだのは、社長のHashimotoさんの面接を受けた時、前職の退職理由を正直に伝えたら、かなりネガティブな話にもかかわらず、真摯に受け止めてくれたこと。「ここなら長く続けられる」と思って決めました。
Terashima:私も中途入社です。元々、大学時代に工学を専攻。授業でJavaのプログラミングを学び、「卒業後は業務システムを支えるインフラ系の仕事をしたい」と思うように。ですが、大学卒業時は、コロナが猛威を振るっていた時期で、入社したい会社の求人がなかった。それで、しばらく実家の建設の仕事を手伝ったりしていたのですが、「エンジニアになりたい」という想いが募ってきて。
IT企業の求人を探す中で、OZsoftに出会いました。学生時代に憧れていたインフラ系のエキスパート集団であることに興味を惹かれ、応募。社長のHashimotoさんによる面接のとき、エンジニアの道を目指しながらも回り道をしてきた経緯を説明したら、「OZsoftで一から始めてみませんか」と言葉をかけてもらった。その人柄に魅力を感じたことが、入社の決め手でしたね。
Wada:私の場合は、新卒で入社しました。学生の頃から「手に職をつけたい」と思っていたので、専門職であるITエンジニアを選択。もともと、パソコンを自作するなど、ITに興味はありました。IT業界に絞って就活する中で、OZsoftに出会いました。入社の決め手は、「社風が自分に合っている」と感じたこと。
具体的には、アニメ、ゲーム、アイドルなど、おたくの人たちが集まっていることです。凄く印象的だったのは、求人サイトに使われていた社員の集合写真。というのも、社長のHashimotoさんをはじめ、皆がアニメやゲームのキャラクターのコスプレをしていた。とても親近感が湧きましたね。さらに、面接のとき、Hashimotoさんと音楽の趣味が共通していることがわかって。それも決め手になった1つでした。
おたくはエンジニアに向いている!?
―楽しそうな社風ですね!その「おたくのメンバーが多い」ことも含めて、OZsoftの特徴的な企業カルチャーについて、教えてください。
Sawaguchi:“アキバ系"と言われるような、同じ趣味趣向の人が集まっているので、一体感のある職場ですね。競争意識を剥きだしにしてギスギスしているようなところも、お互いに無関心でいることもなく、仲間意識があるというか。エンジニアがお互いに励まし合いながら成長していける環境。エンジニアが客先で働く会社にしては珍しいほうだと思うのですが、社内の交流を深めるイベントも多いです。たとえば最近、新宿でバーベキュー大会をやりましたね。
Wada:あれは盛り上がりましたね!現場が違うと、なかなか話す機会がない人もいるから、イベントがあるのはうれしい。交流の場があると、技術に関する情報を交換するきっかけにもなる。技術知識について気軽に話せる仲間が周囲にいるのは、自己成長に欠かせないことですから。また、おたくというのは、1つのことに夢中になるタイプの人のこと。1つのことを掘り下げると同時に、周辺の領域の情報も集めようとする。これは、「できるエンジニア」そのもの。ですから、エンジニアとしても早く成長できるメンバーが多いのかもしれませんね。
Akagi:社長のHashimotoさんは、メンバーに「おたくであることは恥ではない」と、つねに話していますよね。それで「受け入れてもらえた」と感じたメンバーも多いと思います。そういうことも含めて、Hashimotoさんは相手を否定するようなことは絶対に言わない人。まずは相手の話を聞いて、認めることから始める。そういうHashimotoさんが求心力になっているからなのか、メンバーの帰属意識が高いほうだと思いますね。
Terashima:同感です。私は、入社して日が浅いけれど、Hashimotoさんから「仕事は順調ですか、困っていることはありませんか」と、何度かメールをもらいました。Hashimotoさんの人柄が滲み出ていますよね。それに、先輩たちを見ていると、Hashimotoさんが若手を信用して、仕事に大きな裁量を持たせてくれているように思います。「失敗して、社長の信頼を裏切りたくない」という気持ちから、一生懸命、勉強して仕事に取り組む。それが若手の成長を促しているようにも感じています。
―若手の成長に最適な環境があるのですね。最後に、それぞれどのようなエンジニアに成長していきたいか、今後の目標を聞かせてください。
Sawaguchi:インフラ系のスペシャリストとして、ネットワークとサーバの両方に実績のあるエンジニアになりたいと思っています。
Wada:設計・構築など上流工程に携わるエンジニアになること。そのうえで、プロジェクトを統括する立場にもなりたいです。
Akagi:ネットワーク系のあらゆる仕事に対応できるエンジニアになること。そして、自分が身につけた知識を社内で共有していけるような存在になりたいと思っています。
Terashima:早く現場に出て、独り立ちすることですね。上流工程に携わるのが目標なので、これからもっと知識を身につけていくつもりです。
Takao Hashimoto(はしもと たかお)プロフィール
2004年、ソフトウェア開発会社へ入社。営業に携わる。2013年に株式会社OZsoft設立、代表取締役社長に就任。
Shintaro Maeda(まえだ しんたろう)プロフィール
1974年、福岡県生まれ。1997年に東京電機大学工学部を卒業後、複数のIT企業を経て、2020年に株式会社OZsoft入社。
Ryo Sawaguchi(さわぐち りょう)プロフィール
1997年、千葉県生まれ。2018年に日本工学院専門学校コンサートイベント科を卒業後、飲食業界を経て、2022年に株式会社OZsoftへ入社。
Ryoga Wada(わだ りょうが)プロフィール
2000年、茨城県生まれ。茨城大学人文社会科学部を卒業後の2022年に、株式会社OZsoftへ入社。
Jun Akagi(あかぎ じゅん)プロフィール
1992年、東京都生まれ。2016年に東京経済大学コミュニケーション学部を卒業後、IT企業を経て、2016年に株式会社OZsoftへ入社。
Itsuki Terashima(てらしま いつき)プロフィール
1999年、静岡県生まれ。2021年に玉川大学工学部を卒業後、建設業界などを経て、2023年に株式会社OZsoftへ入社。
企業情報
設立 | 2013年7月 |
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資本金 | 2,000万円 |
事業内容 | インフラ(ネットワーク・サーバ)設計・構築・運用 WEBアプリケーション開発、業務系システム開発、ヘルプデスク・サポート業務 |
URL | https://www.ozsoft.co.jp/ |
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