ビジネスの種を育てる起業法則3ヵ条
Zapier CEO Wade Foster
大学のジャズバンド仲間と起業したミズーリ州出身のエンジニア
※下記はベンチャー通信Vol.60(2015年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
会員の4割前後は海外ユーザー
『Zapier』は、Twitterで特定のキーワードを含むツイートがあったらHipChatに自動で告知されたり、Gmailに問い合わせメールがきたらGoogle Docsのスプレッドシートに自動更新されるなど、自動でデータ移行できるサービスです。現在、300以上のWebサービスと連携しています。ユーザー数は無料会員が40万人で有料会員が10万人(2014年12月時点)。順調に伸びています。30~40%は海外ユーザーです。
大学卒業後にフリーランスで受託開発をしていたときの経験が『Zapier』を開発したきっかけです。当時、Paypal経由の受注記録を自社の経理システムに自動で入力したいといったデータの自動移行のニーズが取引先の中小企業にあることに気がついたんですが、そうした企業ではエンジニアを抱える余裕がないため、自動システムを組むことができません。そこで、データを自動移行できるサービスを提供しようと思ったのです。
とはいえ、もともと起業に興味があったわけではありません。エンジニアの給与もよかったし(笑)。しいて言うなら経営者だった父の影響があったかもしれません。一緒に起業したCTOは大学のジャズバンド仲間です。
仲間×メンター×集中
起業を成功させるには、3つのポイントがあると思います。まず、ネットワーク。私たちはミズーリ州の出身なのでシリコンバレーにネットワークがほとんどありませんでした。ですから、Y Combinatorを通じて多くの仲間ができたのは大きかったです。ここで出会った人たちがビジネスパートナーになったこともありました。
次に、メンターの存在。わたしにとってのメンターはY Combinatorです。スタートアップの立ち上げについて、さまざまなアドバイスをもらうことができました。
最後は、集中です。わたしたちは3ヵ月という短期間で集中して『Zapier』のサービスを立ち上げました。
―グローバルベンチャーを目指す
これまでに120万ドルの資金調達をしていますが、当面は新たな資金調達をする予定はありません。ユーザー数が順調に拡大し、利益も出ているからです。
海外展開については、全ユーザーの30~40%は海外ユーザーなので、各国の企業とパートナーシップを組んで、世界市場で一気にユーザーを獲得しようと考えています。日本でも多くのユーザーを抱えるLINEなどの会社と組んでシェアを一気に獲得したいですね。
今後のビジョンについては、短期的な事業売却は考えていません。むしろ、必要であればIPOをしたい。長期的に継続成長する会社に育てていきたいですね。
Wade Foster(ウェイド・フォスター)プロフィール
ミズーリ大学コロンビア校にてM B Aを修了。2011年にZapierを設立し、CEOに就任。2012年のYCombinatorのインキュベーションプログラムに採択。
企業情報
設立 | 2011年10月 |
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URL | https://zapier.com/ |
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